藤沢市の新江ノ島水族館（堀由紀子館長）は、水深約５００メートルに生息する深海生物２種を世界で初めて生体展示している。海洋研究開発機構（ＪＡＭＳＴＥＣ、本部・横須賀市）と協力して採取したカニや貝類で、来場者からは「深海のロマンに触れた感じ」との声が上がっている。

　展示しているのは、オウギガニ科のカニ（甲幅約２センチ）、同水族館提供＝１匹とオオマユイガイ属の貝（体長約１２センチ）、同＝７匹。いずれも深海生物が多い北部マリアナ海域で見つかったが、詳しい生態は不明で、名称もない。

　同水族館は０４年から、同機構とともに深海の探査や深海生物の飼育研究に取り組んできた。新たに展示している８匹は４月、同機構の調査船「なつしま」に同水族館スタッフが同乗し、無人探査機「ハイパードルフィン」で採取した。このほか０８年に新種とされたイデユウシノシタ（体長約８センチ）５匹も展示している。【永尾洋史】

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090524ddlk14040164000c.html